十人十色詩

作者の日常を綴ったもの。小説やゲームなどの話題あり。
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ロマサガ2~逆行皇帝ソレイユ~ 69

※続、決戦前。


「復讐の誓い、太陽のわだかまり」

海に潜って見ると――板の破片が、所々に散乱していた。
沈没船のなれの果てか。無残な姿と化している。
その中で、僕たちは潜むものを目撃する。

謂れもない、七英雄のスービエ。
哺乳類の胴体を持つ、軟体動物の人外。

下半身がイカの足ではなく、クジラの尾びれ。
……嫌な予感がする。

「――来たか」 スービエは僕たちに気づき、口元を綻ばせた。
己の身長より長い槍を、肩に乗せていた。
余裕ぶった態度で、待機をしていた。

一番前にいる海賊皇帝に向けて、納得をし始める。

「お前が先頭ということは……新たな皇帝誕生というわけか。
あの女皇帝と同じく、精悍な顔をしているな」

彼の後ろにいる僕に視線を向き、意味ありげな言葉を放つ。

「――銀の覇者、ソレイユ。
お前のことは、我々の間でよく語っているぞ。
我々に刃向う未来人で、死者たちの恩恵を受け入れしものということをな」

マゼラン、ナタリー、ハールファグルが一斉に、こちらに振り返った。
複数の驚愕な表情に、僕は苦虫を噛みつぶしたようになった。

……情報源はノエルか。やっかいだな。

亡き皇帝たちを含めて、マゼランには、知らせてはいない真実。
――僕自身、伝承法によって、彼らの力を受け継がれているということを。

未来人というのはわかっていても、この事実は避けることはできない。

「なるほど。皇帝と同類か。ならば、我々と同じ化け物ではないか」
何も言わない僕に、スービエは嘲笑った。肯定として読まれたかもしれない。

マゼランは動揺をしていたが、気を取り直そうとして、歯を食いしばった。
スービエに振り向くと、緊張した面持ちのまま、たどたどしく話す。

「お前が、七英雄の一人……スービエ。目的は……何だ?」

緊迫感が、こちらまで伝わってくる。
簡単に教えてくれないと、僕は予測していたのだが――。

「知りたいか? 冥土の土産に教えてやろう」
あっさりと承諾したスービエに、僕は違和感があった。
何かしら、裏がありそうでならない。

「かつて、我々は世界を救った。――同化の法を使ってな」

「……同化の法?」
マゼランのオウム返しに、スービエの噛み砕いたような答え。

「お前たちが使う伝承法を強めた、さらなる力を得られるもの――つまり、改良したものだ。
モンスターを吸収して、力を蓄えていったのだ。何度も、同化の法を使ってな」

七英雄の、堕落したと言われる禁断法。
同時に、僕たち皇帝に力を与えられるもの。

最終皇帝である僕の番が来たとき、与えられる力の限界に達する。
再び、やってくるだろう。時代を飛び越える、その繋がりを――。

僕は黙って、スービエの話に耳を傾けていた。

「――だが、救われた連中は、そんな我々を恐れていたのだ!
我々を騙して、別世界へ追放したのだ!」

長槍を持つ手が、軋む音を立てていた。
やり場のない怒りが伝わってくる振動だ。

千年の経過により、彼の心をしだいに蝕んでいった。
憎しみと嘆きの2つの絡みが今でもあり、簡単に消すことができない。

武器のもたない、反対側の手を拳にして、負の感情を吐露する。

「数千年後、苦労して帰ってみると、奴らも異世界へ向かった後のようだった。
奴らは今、どこへ行ったのか――。探しているのさ、復讐のためにっ!」

スービエの、血を吐くような訴え。
裏切られたというその思いに、支配をされていた。

「そんなことのために……。 英雄が聞いて呆れるな」
マゼランの代わりに答えたのは、ハールファグル。
棍棒をひと振りをし、身構えた。

ナタリーも彼と同様に、小剣――イロリナの星を構えた。
二人とも、僕たちとは違い、戦闘態勢に入っている。

スービエは口を歪めて、あきらめに近い台詞を述べる。

「――所詮、短命種……。
お前たちのような下等生物に、私の気持ちはわかるまい」   
【 2012/10/18 (Thu) 】 ロマサガ2小説 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

両性こたつむり

Author:両性こたつむり
「君が望む世界詩」の管理人です。
ロマサガ2、ダイ大などの二次小説を書いていますが、FTやSFなどのオリジナル小説も書いております。

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