十人十色詩

作者の日常を綴ったもの。小説やゲームなどの話題あり。
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和みたくなるものです

※アウローラさんへ。よし、頑張る。


「仲良く下校?いいえ、成り行きです」

黒衣の僧侶は二人を抱え、周囲を見回す。
男女問わずの学生たちの野次馬が、興味本位で見つめていた。
無数の好奇な視線に、彼は動じることがなかった。逆に、首をかしげていた――そこへ。
「はい、はい、は~~いっ!どいた、どいた~~!」
美奈子は軽いノリで大げさに言って、両手を大きく叩いた。
その場にいる全員が慌てて避け、左右の列を作った。
彼女は気にする風でもなく、怯える優人とともに行動を起こす。
真逆な彼女と引っ込み思案の彼。桜花の友達ということは、周知の事実である。
早足で歩き、黒衣の僧侶の元へ近づいていく。
彼は二人に目をやると、気絶している桜花を前に差し出した。
美奈子と優人はすぐさまに、彼女の腕を片方ずつ肩に回した。
(大したことはないが……。何で、俺がこんなことを……)
優人の内心は、面倒臭そうだった。だが、ハンターの性である故か。
心配そうな顔つきに、演技をしている。そんな彼に、美奈子の口元が緩めた。
(ピッタリね。こういう人だったら、任せても良いなあ)
少年と少女の想いが異なり、交錯していく。まったく、気づいていないのが残念だ。
僧侶は男子学生を、軽々とおんぶをした。その頬が、肩のほうへ寄せついた。
「よしよし……良い子だ」無意識なのか。あやすように呟いていた。
僧侶の表情は笠に隠れて見えないが、不思議そうな雰囲気を醸し出す。
シュールと混じった自然な感じに、学生たちは大爆笑をした。
身を翻し、校門に向かう黒衣の僧侶に、美奈子は呼び止める。
「ちょっと、待ってっ!せっかくだから、一緒に帰りましょう!」
(お、おいっ!?)心の中で突っ込みを入れる優人。
厄介事には巻き込まれたくないのは、性格だろうか。一瞬であるが、露骨な顔になっていた。
美奈子が彼に振り向き、明るくウインクをした。
「大勢いたほうが――いざというとき、安全なんだしね」
意味ありげな台詞を述べていた。優人の背中には汗をかいていた。
(……この女、何を考えているんだ?)
一方の僧侶は、おんぶをしたまま、頭を縦に振っていた。
あまり、格好の良いものではなかった。

仲良く下校をする、桜花と男子学生を入れての五名。
桜花たん崇拝三人組は、熱狂をしていた。
「おんぶ萌えーーーーーー!」
「お姫様だっこ、王子様だっこじゃないのが残念だけどな」
「それにしてもあの僧侶……見かけによらず、力持ちなんだな。軽々としているぞ」
ポイントの絞り方は、相変わらずのマニアックな彼らであった。


次は、帰宅編です。桜花氏の父が登場します。
【 2012/10/22 (Mon) 】 コラボ小説 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

両性こたつむり

Author:両性こたつむり
「君が望む世界詩」の管理人です。
ロマサガ2、ダイ大などの二次小説を書いていますが、FTやSFなどのオリジナル小説も書いております。

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