十人十色詩

作者の日常を綴ったもの。小説やゲームなどの話題あり。
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ロマサガ2~逆行皇帝ソレイユ~ 117

※ラストダンジョン前。


 「決別の伝承者、切り開く太陽」

「……ソレイユ」 青緑の瞳で僕を視る、司祭のサグザー。
 あのときとは変わらない、僕の父さん。
 古代人であるが故に、年老いていない。
 コウメイに、回復を施された彼が、僕を凝視し続ける。

「……本当に……私とヴェルノの子……なのか……?」
 問い質す彼に、僕ははにかみながら、小さく頷いた。

「ジェラール……」 紫のベールを被った、ジプシーの女。
 僕を視る黒き瞳は、慈愛に満ちている。オアイーブ。
 僕の伯母さんでもある、ヴァンナ・トーレンスだ。

「ようやく、会いました……。 本当のあなたに……」
 彼女の両目に、大粒の涙がこぼれていく。

「僕も……あなたたちに……会いたかったっ……!
 肉親である、あなたたちに……ずっとっ……!」

 胸の内をさらけ出すと、二人は僕に身を寄せ――抱きしめた。
 激情に震える腕が、熱を帯び、伝わっていく。

 時を超えた再会というべきか。否、逆行した経緯でもあるべきか。
 必然的な、歴史の生き証。

 距離を埋めるよう、無言で過ごすこと――数分。
 父さんが離れ、僕に対して、気を遣う。

「……行くのか?」 言葉足らずな台詞に、不安が含まれている。
 それが、父としての愛情なのか……判断するのは難しい。

「ええ、父さん。七英雄の……最後の戦いに、挑みます」
 七英雄のリーダー、ワグナス。彼を倒せば、本体へ行き着く。
 そこで、最終決戦になるだろう。逆行前と、同じならば。

「……そうか」 もう一度、僕を抱擁し、背中を軽く叩いた。

「無事に、帰ってこい……」
 父さんの想いに、愛情が溢れているよう。
 
 僕の返事は、云うまでもなく、首を縦で振る。
 言葉にしなくとも、父さんは僕のことを理解してくれる。

 父さんが距離を置くと同時に、オアイーブが決意のある発言をする。

「――私も行きます。“彼ら”の元へ」
 彼女なりに、覚悟を決めているのだろう。
 その口調に、負の感情が含まれていない。
 怯える様子を見せず、堂々とした態度を取っている。

「駄目だっ!
 母さんの姉であるあなたを、ワグナスは絶対に見逃さないっ!」

 反対する僕に、オアイーブは自嘲めいた笑みで。

「……わかっています。
 けれども、私自身、蹴りをつかないと……後悔をするのですよ」

 彼女は理由を、このように述べる。

「追放した過去と、古代人の操り人形……。
 彼らによって、流れてしまった己に……責任があります」


 そして、一年後――帝国暦1999年。
 ナゼール海峡の南方、大氷原にモンスターの群れが出現した。

“ワグナスがついに、動き始めたようだな” “今度こそ、倒すわよ”
 亡きレオン皇帝と、亡きクラウディア皇帝。
 気合十分に、入っている。

 僕、アルシオーネ、コウメイ、オアイーブの四人は、アバロンの城下町の外へ出ようとすると。

「ジェラール様!」 笑顔で走ってくる、幼き青髪の少女。
 僕たちは立ち止まり、彼女を眺めていた。
 彼女は息を切らし、握りしめた折り鶴を、僕に手渡す。

「これ、お守りっ! 気をつけて、行ってねっ!」
 愛くるしい少女に、自然と、笑みがこぼれる。

「ありがとう、シーデー!
 どんなに苦しいときでも、これを見ると、力が湧いてきそうだよ」

 僕は受け取り、折り鶴を丁寧に仕舞い込んだ。

「アルシオーネ様!」 今度は、幼き茶髪の少年が、アルシオーネの元へやってくる。
 前髪に染まった金髪が、ゆらゆらと揺れた。
 彼の小さな手が、アルシオーネの手首を掴んだ。
 がら空きとなった手に、10クラウンを乗せる。

「これ、幸せのコインなんだっ! アルシオーネ様を、守ってくれるんだよっ!」

 へへん。と、自慢げに話す少年。
 鼻の下を擦る少年の頭を、アルシオーネは撫でる。

「ありがとう、ユリシーズ!
 あなたのコインは、本当に幸せにしてくれそうねっ!」
【 2017/07/30 (Sun) 】 ロマサガ2小説 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

両性こたつむり

Author:両性こたつむり
「君が望む世界詩」の管理人です。
ロマサガ2、ダイ大などの二次小説を書いていますが、FTやSFなどのオリジナル小説も書いております。

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