十人十色詩

作者の日常を綴ったもの。小説やゲームなどの話題あり。
0812345678910111213141516171819202122232425262728293010

ロマサガ2~逆行皇帝ソレイユ~ 119

※最終決戦、その1。


 「七英雄の反逆、太陽たちの反抗」

「――準備は、良いかい? これが、最終決戦となる。
 後戻りは、できない」

 アルシオーネの回復を済ませてから、僕は仲間たちに尋ねていた。
 コウメイは震える手を押さえつつ、か細い声で答える。

「……軍師のおいらに、できることは限られている。
 やれるだけ、やってみるよ……」

 生きて帰ってくるのかさえ、わからない不安さ。
 その表情は、曇りがちになっている。

「――あたしは、ジェラとともにいるわ。間違っても、裏切ったりしない」
 対して、アルシオーネは、自信に満ちた顔だった。
 彼女らしい、勇敢であり、意志を貫こうとする。

「……ジェラール。私は、最後まで……闘います」
 オアイーブは硬い面もちで、僕に告げていた。
 葛藤がある中で見出した、彼女なりの答え方だ。


 全員、真っ暗闇の中へ入っていくと、巨大な心の蔵があった。
 七英雄が集結した、グロテスクな異形のなれの果てだ。

 これが……七英雄の本体。ワグナスが一人になってまで、守りたかったもの。

 スービエの触手が、アルシオーネの横腹に当たり――生地ごと破れていく。
 あらわとなった、10クラウン。直に突き刺さり、粉々に砕け散った。

 アルシオーネは強張り、無残なものとなったコインを凝視した。
 反応に遅れた彼女に、怨念が宿りし、蠢く渦の暗黒がやってくる。

 金属音が、所々、響き渡っていく。
 鳴り終えると、闇の波動が徐々に消えていく。
 ムーンライトでガードする、アルシオーネの姿があった。

《儂の技を見切っているのは、小娘。ソレイユに教わったのか?》
 彼女は怪訝そうな表情をし、剣先をクジンシーに突きつける。

「――だったら、どうするの?」
 不敵に笑い、防御態勢になっていると、頭上に光の拘束縄が覆い被さる。
 それを眺めた、彼女の翡翠の瞳が、眼光鋭くなる。

「バックスタッフ!」 地中深く潜り、高速縄の背後に登場する。
 狙いを定め、下段の構えで、斬り込みをした。
 鮮やかな閃とともに、引きちぎられる物音と消失していく様が見えた。

《二度は、通用しないか》 ワグナスの落胆に、アルシオーネは意気込む。

「あったりまえじゃないっ! あたしを誰だと思っているのっ!?
 銀の覇者、ソレイユの義姉。金の舞姫、リュンヌよっ!」

《そうだったな。お前が武術に優れた、最終皇帝の姉であることをな》
 気高き男が賞賛するのは、極めて珍しいことだ。

 ボクオーンの絡み糸が、コウメイに向けて、ばら撒かれる。
 僕は彼の前に飛び出し、デイ・ブレードで燕返しをする。
 斬り落とされていく、無数の糸。無残に、堕ちていった。

 僕は絡まった糸を大きく払い、人形遣いに目を向ける。
 奴の口が、大きく裂けていく。暗黒が広がる、舌のない口内。

《あのときと比べ、良い面構えをしているな。
 皇帝だから、か? 権力が体中、渦巻いているのが視える》

 突如、周囲に香り漂うもの。僕とコウメイは、ライトセーバーを披露する。
 分散し、匂いがかき消され、なくなっていく。

 音速剣、三段斬りなど、剣技による攻撃が来る。
 僕たちは手元に残る魔力剣で、刀身を当て、弾き返した。

《ふふふっ。私の技が、完全にふさがれてしまいましたわね》
 ロックブーケは僕たちを見下ろし、愉しげに嗤った。
 恍惚に浸る顔が、悦びを隠しきれていない。

《そのようだ、ロックブーケ。それもみな、あの女のせいであるな》
 ノエルは同意をし、僕たちの後ろ――オアイーブに目を向けていた。
 
《ヴァンナ・トーレンス。忌々しき、トーレンスの血族。
 己の甥に、我々を殺させようとする。利己的な女め。
 許さん。特にお前は――アビスゲート》

 恨みの言葉を吐き捨て、冥術に発動させた。

 顔面のある、闇の扉。両目が開き、血の涙を流す。
 オアイーブは金縛りに遭い、身体を崩していく。

 扉が勢い良く開き、突風による吸引。
 オアイーブの足が浮かび、その中へ吸い込まれようとする。

「オアイーブ!」 僕は無我夢中で、手を伸ばした。
 彼女の腕を掴んだ状態で、扉の内へ入っていった。


 虚無と絶望、混沌が広がる――逃げ場のない扉内。
 出口の見えない。閉じ込められた世界、アビスゲート。

 硬直したオアイーブに、僕の片手がかざす。

「月光」 月の光が彼女を包み、徐々に薄れていく。
 彼女は体を起こし、僕を見つめ、悲痛な表情で。

「……ジェラール……! あなた……何て、馬鹿なことを……!」

 無謀なのは、承知の上だ。捨て身で、彼女を救い出す。
 僕の頭は、それしかない。オアイーブは、僕の大事な。

「あなたは僕にとって、この世で大事な家族だ。
 あなたを失うなんて、考えられない」

 突如、ヴォーテクスが僕を襲い、のたうちにさせていく。
 体力を削り取られるものの、僕は耐え抜きながら、光のない暗黒を見渡す。

《うふふっ。ここは、私たちが創った獄中世界。
 希望を粉砕しうる、拷問の最果て》

《いかに、皇帝といえど、この世界から脱出することができん》

《肉親を助けたのが、お前の甘さ故……》
《生死の明暗が、決まったものだな》

 嘲り、反響する――七英雄たちの声。

《裏切者が遺した“財産”を、潰さなくては》
《いいや。二人まとめて、片づけよう――アストラルゲート》


 視界が真っ白になるくらい、強大な光の扉。
 混じり気のない、右も左もわからないその内部。

 僕たちは手を繋ぎ、離れることをしない。
 ただ、一色しかない空間を探るのみ。

《相手を封じ込め、重圧し続ける――虚栄の空間。
 己が想いのまま、自由に操れる――精神世界》
 
《異次元転送装置による別世界とは、事情が異なるぞ》

 衝撃が一つ、二つ。僕に襲いかかった。
 体へ潜り込み、浸透していく奴らの精神。蝕み、同化し――弾き返される。
 生霊に近い煙が、僕の体内から放出し、彼方へ消滅していった。

 ハルモニアスーツと衣服の間をすり抜け、乾いた音を立てた。
 煌めく真っ白き球体。こもる光に、権力が備え持つ。
【 2017/08/11 (Fri) 】 ロマサガ2小説 | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

両性こたつむり

Author:両性こたつむり
「君が望む世界詩」の管理人です。
ロマサガ2、ダイ大などの二次小説を書いていますが、FTやSFなどのオリジナル小説も書いております。

みんな、ありがとん!
検索フォーム
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ