十人十色詩

作者の日常を綴ったもの。小説やゲームなどの話題あり。
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ロマサガ2~逆行皇帝ソレイユ~ 120

※最終決戦、その2。


 「太陽の審判、天秤にかけた未来」

「ジェラール様!」 青髪の幼き少女が、僕の元へ笑顔で走ってくる。
 立ち止まった僕に、彼女は息を切らしながら、折り鶴を僕に突き出す。

「これ、お守りっ! 気をつけて、行ってねっ!」
 愛くるしい少女に、自然と、笑みがこぼれる。

「ありがとう、シーデー!
 どんなに苦しいときでも、これを見ると、力が湧いてきそうだよ」


 ぺっちゃんこになった、シーデーの折り鶴。
 真っ白き球体となって、濃く覆われている。
 僕は茫然と、掴み取り、無意識に吐露する。
 
「……精神を司る世界なら、己の心を具現化させることが可能……?」
 手の甲に、オアイーブの手が乗せられていく。
 彼女の眼差しに、温かみと安らぎに似た――慈愛の光がこもる。
 
「ジェラール……。 あなた自身の手で、想像してみてください……。
 あなたの想いのままに……」

 僕の手で、想像させるもの。僕の想いのまま、切り開く権力。
 僕が想い描くものは――たった一つの願い。

「歴代の皇帝たちよ。僕に、力を貸してくれ」

 折り鶴が消滅し、初代皇帝たちが一斉に登場した。
 透明と化した彼らに、僕は息を呑んだ。

「心得た」  レオン皇帝は承諾し、天なき漆黒に手をかざす。

「ライトボール」 目がけた瞬間、大爆発が起こった。
 煙が立ちこめる中、オライオン皇帝は不敵な笑みをする。

「ソルの願いなら、遠慮することはねえな」
 彼は両足ジャンプをし、天高く昇っていく。
 停止したところで、悪童の笑みになる。

「よーーし。ひと暴れするかーー」
 大剣で、豪快に一閃。薙ぎ払った隙間に、埋もれる光があった。
 ガートルート皇帝とマゼラン皇帝は、肩を並び、冷徹な目でそれを見つめる。

「アンドロメダ!」 「ヨーヨー!」
 連携なる光の合成術と、斧の遠距離技と。
 無力化させたと同時に、刃が深く抉り、めくり上げていく。
 破れかけ、覗き込まれる向こう側の世界。

「いい加減、砕けろよっ!」 「こんなに頑丈だと、苛立つわねっ!」
「やらなければ――突破しませんよっ!」

 コッペリア皇帝、クラウディア皇帝、ソウジ皇帝の三組。
 クラウディア皇帝に抱えられ、二人は飛び越えた。
 パンチアウトと、高速隼斬りを披露して。

 完全崩壊し、目に映るものは――心臓に生えた魔物の群れ。
 その前に、傷だらけのアルシオーネの姿があった。
 彼女の背後に、コウメイが仰向けに倒れ、動けずにいる。

 七英雄は嘲笑し、アビスゲートを出現させる。
 双眼を見開いた瞬間、オアイーブが合成術を唱える。

「オーバードライブ!」 時空の逆回りからの、強制ターンエンド。
 暗黒の扉が消失し、七英雄だけが残っていた。

 キャンセルをされ、今度は、踏みつけによる攻撃を仕掛けてくる。
 クリームヒルト皇帝が、風車で回避した。彼らが宙に浮かび、倒れかかっていく。

「火の鳥!」 ジェラール皇帝による最強法術が、七英雄を焼き尽くした。
 致命傷にも近い、爛れた大火傷が生まれた。
 その中から、対となる触手が荒れ狂い、広範囲で襲撃してきた。

 クリームヒルト皇帝が再び、風車をした。触手の破片がまばらに落ちていく。
 完全に防御した彼女の立ち姿に、アルシオーネは驚き戸惑う。

「……おかあ……さまっ……!?」 「あなたを守れて……嬉しいわ」
 娘との再会に対し、クリームヒルト皇帝は優しく微笑んだ。
 
「俺もいるぞ、アルシオーネ!」 彼女と入れ替わりに、ハンニバル皇帝が飛び出した。
 彼が七人に分かれ、残像剣で心の蔵を斬り刻む。

 分散し、堕ちていく七英雄。這い上がることさえ、ままならない。
 殺意に満ちた貌で、ハンニバル皇帝を見上げる。

《皇帝の死者どもが、我々を深手に負わせる……。
 何と、理不尽なことかっ……!》

《我々は、世界を救った七英雄なのだぞっ……!
 それなのに、我々を仇に返すっ……!》

 正当化して、認めない七英雄――それは。

「お前たちは、俺たちに危害を加える“モンスター”だ。
 傲慢、強欲に塗れた。“英雄だったもの”だ」
 
 はっきりと告げるハンニバル皇帝の体が、白き点滅をし始めた。
 濃く、淡くと繰り返している。過去に似た体験をした――デ・ジャブ。

「お父様!」 「……もう、時間だな」
 アルシオーネの悲痛な叫びに、ハンニバル皇帝は小さく項垂れていた。
 クリームヒルト皇帝はもちろん、ほかの皇帝たちも、彼と同様な状態になっていた。
 その中の一人、ジェラール皇帝は、僕に別れを告げる。

「ソレイユ。僕と同じ名を持つ、最終皇帝よ。
 君の手で、七英雄を――頼んだよ」

 力強く頷くと、皇帝たちが満足そうにし、消滅していった。

 僕は七英雄に目をくれず、心臓目がけて、飛翔していく。
 デイ・ブレードを構え、ありったけの力で一突きした。
 
 深々と潜り込む刀身。七英雄たちは、次々と消し去っていった。
 闇でもない、光でもない。無限の中――天の空へと。
【 2017/08/13 (Sun) 】 ロマサガ2小説 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

両性こたつむり

Author:両性こたつむり
「君が望む世界詩」の管理人です。
ロマサガ2、ダイ大などの二次小説を書いていますが、FTやSFなどのオリジナル小説も書いております。

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